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  • 京極夏彦グローブ

    cycling gloves 指貫グローブ

    このあいだ自転車で知り合いを見つけたので止まったら、「京極夏彦!京極夏彦でしょ、それ!」と言われた。「違います。」指ぬきグローブしているけど、京極夏彦のコスプレではないし、ファンですらない。京極夏彦のファンはあなたの方だろうと言った。指貫グローブはそんなにヘンなのか。使っているのは京極夏彦かせいぜい DAIGO ぐらいだから珍しいのかもしれないけど、そんないい方はないだろうと思った。

    どう言われようと自転車に京極グローブは必需品なのだ。京極グローブ無しだと確実に手のひらが痛くなるし、しびれてくることもある。それに僕の自転車はハンドルのバーテープが白いので素手でつかんでいるとすぐに汚れてくる(ような気がする)。転んでアスファルトに手をついても怪我することを防いでくれる。などなど、ツッこまれた時のための言い訳はいくつか用意してある。それでもやっぱりヤリ過ぎ感は中和できないなあと確かに感じている。

    僕も、グローブを買うときには京極夏彦っぽさを消すためにいろいろ考えて、反射して光ったり黒かったりするものは避けるようにした。それでもなお京極夏彦呼ばわりされた。京極グローブを見つけたぐらいで騒ぐことなんてないし、そっとしておいてほしいと思う。周囲の目を気にせず京極グローブをつけられる日がきたら、どんなに気分が楽になるだろうかと思う。

  • 愛情物語

    愛情物語という映画を見てしまった。わたしはずっと、こういう映画は見てはいけないと考えていた。角川春樹だとか赤川次郎だとか、そういうのは何のポリシーも持たない連中が見るものだと長いこと信じていた。だけどいつごろからかそういうのこそ見た方がいいんじゃないのかという疑問が増してきた。キーワードひとつで選んでしまう今は、マイブームということだろう。

    角川映画と言うのがまず、引っかかっていた。角川映画って一体なんなんだって聞かれても、うまく答えられる人は少ないだろう。だけど、角川映画ってああいうのだなとたいてい思い浮かべることはできる。「ああいうの」が好きになれなかったのに、今は大好きなのだ。不思議だ。角川春樹ってカッコいいとさえ思う。それから赤川次郎の小説と言うのも昔は好きになれない気がしていた。赤川次郎の小説そのものというより、赤川次郎の小説を読んでいるという人達が好きじゃなかった。クラスにかならずいる赤川次郎が好きな女の子って、自分とは決して話の合わない人たちだと思っていた。今更に好きになるというのはなぜだろう。

    それでこの愛情物語では例のごとく原田知世が出てくる。話の途中で脈絡なくミュージカルシーンが始まる。こういうのもおもしろい、と思うようになってしまった。設定の一つ一つが飽き飽きとするもので以前なら耐えられなかっただろう。そんなベタの波状攻撃に耐えられるようになったのは自分自身の成長のおかげだと考えることにしている。