カテゴリー: 日記

  • 灰釉香合 銘 オタフク

    灰釉香合 銘 オタフク

    特に釉薬が気になり始めて1年近くになる。庭の落ち葉や剪定した枝などを燃やした灰から釉薬を作ろうとしたのは去年の秋のことだ。釉薬というのは灰と長石を混ぜれば誰でも簡単に作れるものだと知ってから、いろいろ実験を重ねている。作ってばかりは退屈なので少しづつ自分の作品も紹介したいと思う。プロの陶芸家は個展などで発表すればいいけれど、素人だって発表したくてうずうずしているのだ。

    この香合は数カ月前につくったものだ。釉薬は松灰に釜戸長石を少々混ぜてつくったもので、陶芸教室で還元焼成してもらっている。写真では上手く伝わらないけれど、デコボコがあってムラがあるのが気に入っている。五斗蒔の赤土で形をつくったときは、ダルマの香合にしようと思っていた。だけど絵を書くのが苦手なので釉薬だけを掛けて焼いたらダルマというよりもオタフクになってしまった。形だけでダルマに見せるのは難しい。

    つくづく私は灰釉や黄瀬戸が好きなんだと思う。色いろある釉薬の中でいちばん心が惹かれるような気がする。それに灰釉や黄瀬戸は単純な組み合わせだから素人でもけっこう楽に作れる釉薬だろうと感じている。その単純さがプロにとっては難しいところなのだろうけど。とにかく私にとっては面白い釉薬なのだ。だからずっと灰釉や黄瀬戸釉ばかり作っている。しばらくの間は、お気に入りと呼べる灰釉や黄瀬戸を作るのが目標だ。

  • 朝日劇場

    Pink Film Theater

    岐阜柳ケ瀬の西の端に朝日劇場という映画館がある。岐阜も郊外のシネコンが流行って、柳ケ瀬に映画を見に行くという習慣は廃れてしまったみたいだ。柳ケ瀬にたくさんあった映画館がいくつも潰れているのは寂しい。私も小中学生の頃は、夏休みや春休みになれば必ず母に連れられて柳ケ瀬に映画を見に行ったものだった。

    夏休みになったので今年も家族向け映画がいくつも公開されているのだけれど、朝日劇場はピンク映画専門の映画館なので、夏休みだといっても家族連れが来るわけではない。私もまだ一度も入ったことはない。それなのに、何度もわざわざ映画館の前を通りがかったものだ。その妖しいポスターを横目に見ながら通りすぎるので精一杯なのは、知り合いに見つかった時のせめてもの言い訳のためだ。

    朝日劇場は三本立てみたいだ。映画館で三本立てというのはノスタルジーを感じる大切な部分だと思う。ちなみに一時間の作品を三本で1700円らしい。flickr に幾つか写真をアップロードしてある。今回は団鬼六の作品はなかったけど、たいてい3つのうち一つは団鬼六が入っているということが多かったような気がする。この朝日劇場の前には白い「上映中!!」という看板が今もあって、常に変わらないものの安心感を与えてくれる。「今、ほとばしる快感、熱きエロスの衝撃!!」という文句も相変わらず眩しかった。

    今度は勇気を振り絞って明るい時間帯に来てみよう。そうすれば本当に上映中だろうし、もっと面白いことがありそうな気がする。ちなみにこの近くにまさご座があるのだけど、その話は次に書こうと思う。

    Pink Film Theater

    Pink Film Theater

  • 昔、男ありけり。

    ブログのタイトルを玉井物語に変えてみた。夏ぐらい、ナリヒラみたいなプレイボーイに憧れてみようと思った。思いつきなのでそのうちまた変えることになるような気がしている。日記のくせにほとんど日記じゃないよねと何度か言われたことを思いだした。日記じゃないけど日記という名前にしているんだと説明するのも野暮な気がしたので、ごめんなさい、と言うことにしていた。だけど、今もそれでいいと思っているということは書いておきたい。

    TAMAIYUYA.COM というドメインでブログを初めて8年近くになるようだ。ドメインの更新をしていて気がついた。WordPress をインストールしたのが2006年だと思うから、その前の MovableType の期間よりも長いということか。その頃はずっと、ドメインのままの TAMAIYUYA.COM という名前のブログだった。ドメインを取得する前に、Blogger で1年ほどブログを書いっていたけど、そのころは簡単にいくつものブログを作れたので何度も新たに作ってはブログの名前を変えていたような気がする。更にその前を思い出すと、大学の授業の課題でつくったホームページを tripod に置いていた。これからもっといい加減にブログを更新していこうと思う。

  • Nikon AF600 は楽しいカメラだ

    Nikon AF600

    せっかくなので、カメラの話題を続けてみたい。もうコンパクトデジカメは買わないでデジタル一眼レフを買おうかと思ってカタログを集めていたのに、やっぱり「コンデジ欲しい」となってS95を買ったのは Nikon AF600 というカメラのせいである。Nikon AF600 はニコンミニという名前でも有名なフイルムコンパクトカメラであったらしい。だけど、そんなことは知らずにカメラのキタムラのジャンクカゴで見つけて買ったカメラである。

    手にとった瞬間、小さくて安っぽいのだけど面白そうなカメラに見えた。ボタンは全部ゴムだし、唯一みえる金属はむき出しのネジだけというプラスチックカメラなのだけど、潔さそうなデザインにひかれて買うことになった。レンズの下の Nikon Lens 28mm 1:3.5 Macro の文字が読めて、広角で撮れる悪くなさそうなレンズに思えたのも買うのを後押ししてくれた。

    ニコンミニのな前の通り小さくて軽い。小さくて軽いからかばんに放り込んで持ち出せるのだ。それで36枚撮りのネガを入れて持ち歩いたらどんどんシャッターを押して一気に使いきってしまった。一眼レフではないほうが楽しいかもしれないと思ったし、これならデジタルもコンパクトが楽しいだろうと思った。気楽にシャッターを押せるというのは楽しいということを知ったのはAF600のおかげだ。

    このカメラもEOS55もパノラマモードが付いている。むかし、写ルンですのときにもついていたフイルムの上と下を切り取ってしまうあのパノラマだ。90年代のカメラといえばパノラマがあるかどうかというのは大きなポイントだったなあと思い出すのだけど、あのやたらと横長で大きな写真をしまっておくのは結構面倒だったことも同時に思い出してしまう。

    以前にブログでも紹介したクリアショットuは使い捨てではない写ルンですといった感じのパンフォーカスのカメラだった。Af600はオートフォーカスのカメラなのだけど、同じくパンフォーカスで(もちろん撮り方次第だけどね。)、コンパクトカメラらしい出来だ。だけどクリアショットuとは全く違ってスッキリと気持ちいい写真が撮れる。とにかく背景をボカせばカッコイイみたいな最近のブームはそろそろ終わって、パンフォーカスの時代が来るんじゃないのかな。

    とにかくAF600は気軽にシャッターを切れて楽しい、それでいてキレるカメラだ。S95 は買ってしまったけど、ときどきはまたAF600を持ちだしたいと思う。